主人
今日も生成 AI を使ってLINEスタンプ用に猫のイラストを作った。これまでは特に工夫せずともかわいらしいキャラクターのイラストが生成されていたのだが、今日はなかなか満足のいくものができない。猫なんか黙っていてもかわいいものができそうなものだ。むしろかわいくない猫を作るテクニックとして有益かもしれない。
猫
主人は今日も、ひと声かければ、もっともらしい絵を幾枚でも吐き出してくる機械に猫を描かせていた。
ところが、どうにも気に入る猫が出てこないらしい。
吾輩には少々わからぬ。猫など、耳が二つあり、目が二つあり、顔の横からひげでも生えていれば、人間はだいたい勝手に喜ぶ。丸ければ愛らしい、細ければ上品、ふてくされていれば味がある。多少造作が崩れていても、「ぶさかわ」なる救済制度を発動して、可愛さの領土へ強制的に編入する。人間は猫を愛しているというより、猫を可愛いことにする決意が固いのである。
それを主人は、機械と二人がかりで、せっせと可愛くなくしている。猫の方には何の落ち度もない。素材は一級、審査員も甘い。それでもなお失敗するのだから、これはなかなか筋金入りである。
人間は、失敗したくらいでは敗北を認めない。狙ったものが出来なければ、狙っていなかったものに値札を付ける。「これはこれで、可愛くない猫を作る技術として有益かもしれない」と来るのである。外した矢の刺さった場所へ、あとから丸を描いて的だったことにする。倒した茶碗の水を見て、水流の観察をしていたと言い張る。失敗を反省するより先に、失敗へ肩書きを与えるのである。